TRAIL産生を誘導し、がん細胞に対するナチュラルキラー活性を促進する乳
酸菌

Mano Horinaka a, Tatsushi Yoshida a, Atsuko Kishi b, Kaoru Akatani b, Takashi Yasuda a,c, Junji Kouhara a,d, Miki Wakada a, Toshiyuki Sakai a,*
a Department of Molecular‒Targeting Cancer Prevention, Graduate School of Medical Science, Kyoto Prefectural University of Medicine, Kawaramachi‒Hirokoji, Kamigyo‒ku, Kyoto 602‒8566, Japan
b Louis Pasteur Center for Medical Research, 103‒5 Tanaka Monzen‒cho, Sakyo‒ku, Kyoto 606‒8225, Japan
c Department of Urology, Kyoto Prefectural University of Medicine, Kawaramachi‒Hirokoji, Kamigyo‒ku, Kyoto 602‒8566, Japan
d Department of Digestive Surgery, Graduate School of Medical Science, Kyoto Prefectural University of Medicine, Kawaramachi‒Hirokoji, Kamigyo‒ku, Kyoto 602‒8566, Japan

要約
腫瘍ネクローシス因子関連アポトーシス誘導性リガント(TRAIL)は、悪性腫瘍細胞においてアポトーシスを誘導する内在性サイトカインである。ここで、我々は、乳酸菌がヒト末梢血単球細胞(PBMC)においてTRAIL産生を誘導することを初めて示した。乳酸菌での処理は、PBMCの細胞表面と培養液において誘導した。TRAIL産生は、一部、IFN‒αとIFN‒γに依存して乳酸菌によって誘導されていた。乳酸菌処理は、前立腺がん細胞に対するPBMCのナチュラルキラー(NK)活性を促進した。更に、TRAIL中和抗体は、そのNK活性を効果的に阻害した。結果は、乳酸菌がTRAIL産生を通じてNK活性を促進すること、悪性腫瘍に対する新規TRAILを根拠とする戦略の可能性があることを示している。
Ó 2009 Federation of European Biochemical Societies. Published by Elsevier B.V. All rights reserved.

1. 緒言
腫瘍ネクローシス因子関連アポトーシス誘導性リガント(TRAIL)は、選択的にin vivoおよびin vitroにおいてがん細胞にアポトーシスを誘導する [1,2]。そのため、TRAIL受容体に対する組換えTRAIL蛋白質とアゴニスト様抗体は、悪性腫瘍に対する治療としての臨床試験が実施されている[3,4]。TRAILは、細胞死受容体(DR)5あるいはDR4との相互作用を通じてアポトーシスを誘導する。TRAIL‒DR4/5経路は、これら抗がん効果の本質であると考えられている[5]。TRAILはまた免疫細胞において膜蛋白質および可溶性蛋白質として内在的に発現される[6]。内在性TRAILは、発がん阻害の重要な役割を担う。何故ならば、TRAILの欠損は、マウスにおいて悪性度を加速するからである[7]。そのため、組換えTRAILあるいはTRAILアゴニスト様抗体だけではなく、内在性TRAILを産生する素材も、抗がん戦略を約束するものとなる。種々の乳酸菌は、発酵製品産業において重要な役割をもつ。いくつかの発酵製品は免疫効果があると報告されてきた[8]。更には、乳酸菌は、in vitroおよびin vivoにおいて抗がん効果を有すると報告されてきた[9,10]。大規模無作為化臨床試験は、 Lactobacillus (L.) casei 調製物は、がん予防を約束するかもしれない可能性を示してきた[11,12]。しかし、乳酸菌の抗がん効果の分子機構についてはほとんど知られていなかった。
この研究では、我々は、漬け物製造において使用されるプロバイオ種であるLactobacillus plantarumを用いた。L. plantarumの毎日の摂取は、健康な成人における獲得免疫を増加させるという報告があり[13]、マウスにおいて、この乳酸菌の毎日の摂取は抗がん効果を示している[14]。この報告において、我々は、L.plantarumは、TRAIL産生を誘導し、がん細胞に対するNK活性を高めることを示した。

2. 材料と方法
2.1. 乳酸菌株
L. plantarum S1,、DB22とDS41は、日本の漬物より分離し、MRS培地(Oxoid, Basingstoke, UK)で24時間30℃で通常は培養した。培地は食塩水で1 mg/mlに希釈し、95℃、5分熱した。
2.2. 細胞培養
ヒト前立腺がんPC3細胞は、以前に記述された方法で維持した[15]。正常ヒト末梢血単球細胞(PBMC)は、以前記述された方法により分離した[15]。PBMCは、情報開示で同意を得て健常ボランティアより得た。
2.3. 細胞表面におけるTRAILあるいはTRAIL受容体のフローサイトメトリック分析
使用した単一クローン抗体(mAb)は、次のとおり、phycoerythrin(PE)共役マウス抗ヒトTRAILmAbと fluorescein‒isothiocyanate(FITC)共役マウス抗ヒトCD4mAb(BDPharMingen, San Diego, CA)とFITC‒共役マウス抗ヒトCD56 mAbとマウスIgG1; PE共役マウス抗ヒトDR4、DR5、おとり受容体1(DcR1)、あるいはDcR2 mAbとマウスIgG1(eBioscience, San Diego, CA)両PBMAとPC3細胞は、fluorochrome共役mAbと表面染色するためインキュベートした。イベント獲得と分析は、 FACSCalibur フローサイトメーター (BD Bioscience)にあるCellQuest software (BD Bioscience)を用いて実施した。細胞表面蛋白質の発現は、幾何学的平均蛍光強度(GMFI)として測定した。ヒトIFN‒αは、大日本住友薬品(大阪、日本)より購入し、抗ヒトIFN‒αとIFN‒γ中和mAbは、eBioscienceから購入した。
2.4. TRAIL表現システム
PBMCは活性化素材と24時間処理し、細胞表面TRAIL発現は、 FACSCalibur フローサイトメーター を用い、PE共役TRAILmAbで分析した。
2.5. 酵素免疫測定法(ELISA)
無細胞上澄は0.22μmメンブレンフィルターで濾過し調製した。 Biosource (Camarillo, CA)のヒトTRAIL‒ELISAキットとヒト IFN‒γ‒ELISAキットは、製造元説明書に従い使用した。
2.6. ウェスタンブロット分析
ウェスタンブロット分析は以前記述したように実施した[15]。抗TRAIL mAb (BD PharMingen)と抗グリセルアルデヒド‒ 3‒リン酸デヒドロゲナーゼ mAb (HyTest, Turku,Finland)は、第一次抗体として使用した。
2.7. RNA分離と定量的リアルタイムRT‒PCR
RNA分離と定量的リアルタイムRT‒PCRは以前記述したとおりに実施した[15]。 リアルタイム定量的逆転写酵素PCR、TRAIL mRNA (Hs00234355̲A1)とβ2‒microglobulinmRNA (Hs99999907̲ A1)用プライマープローブセットは Applied Biosystemsから購入した。
2.8. 51クロミウム放出分析
51クロミウム(Cr)放出分析は、以前記述したように実施した[8]。ヒト組換えDR5/Fcキメラ蛋白質は、R&D Systems (Minneapolis, MN)より、抗ヒトTRAIL中和mAb(RIK‒2)はBD PharMingenより購入した。
2.9.統計解析
データはStudent’s Tテストを行った。コントロールとの比較でP < 0.05を「有意差あり」とした。

3. 結果
3.1. L. plantarum は、細胞表面と可溶性TRAILを誘導する内在性TRAILを誘導する素材を調べるため、我々は、「材料と方法2.4」で記述したようなTRAIL表現システムを使用した。我々は細胞表面TRAILは、 L. plantarum S1株の添加によって誘導されることを見出した(Fig. 1A)。IFN‒αを陽性対照として使用した[16]。TRAILが L. plantarum のS1株によってのみ誘導されるかどうかを調べるため、DB22とDS41といった他の株も使用した。DB22,、DS41およびS1すべては、PBMCの細胞表面のTRAIL発現の誘導する能力を有していた(Fig. 1B)。L. plantarum刺激に対するPBMCの応答性を更に解析するため、我々は次に L. plantarumで刺激した PBMC由来の上澄のELISA解析による可溶性TRAILの放出について調べた。可溶性TRAILは、刺激していないPBMCに比較し明らかに増大していた(Fig. 1C)。これらの結果は、L. plantarumが細胞表面と可溶性TRAILを増大させることを示している。
3.2. L. plantarum S1によるTRAIL誘導は、血液提供者に依存しない。
以上の結果を検証するため、我々は、5人の違う健常者からのPBMCを用いて L. plantarumの効果を検証した。細胞表面TRAILの発現は、すべての5人の提供者からのPBMCを L. plantarum S1で刺激した場合、増大した(Fig. 2A and B)。我々は、次に、 L. plantarum S1で刺激したPBMCをELISA法で評価し、各々のPBMC由来の可溶性TRAILの放出について評価した。 L. plantarum S1刺激PBMCにおいて、すべての提供者のPBMCからの可溶性TRAILの量は、非刺激に比較し著しく増大していた(Fig. 2C)。これらの結果は、L. plantarum刺激によるTRAIL発現誘導は、個人によってその誘導比率は差があるものの、一般的であることを示す。
3.3. L. plantarumは、mRNAおよび蛋白質レベルでTRAILの発現を上昇させる。
つぎに、我々は、L. plantarumがどのようにTRAIL発現を制御するのか検証した。 L. plantarumで刺激したPBMCの全細胞抽出物のウェスタン・ブロットを実施した(Fig. 3A)。L. plantarum全3株でPBMCの全蛋白質レベルでTRAIL量の増大を認めた。更に、定量的リアルタイムRT‒PCRにより、L. plantarumで処理後のTRAILのmRNAレベルを解析した。PBMCのL. plantarum処理は、TRAILのmRNA発現を、非処理時に対しおおよそ4.3~7.0倍増大させた(Fig. 3B)。 L. plantarum がTRAILのmRNAと蛋白質を誘導させることを示唆した。
3.4. L. plantarumは、NK細胞とTヘルパー細胞由来のTRAILを誘導する。
更に、L. plantarum処理後のTRAILの誘導がPBMCのどの成分によるかについて検証した。CD56陽性NK細胞でのTRAILの発現をフローサイトメトリーによって調べた。非刺激条件下では、わずかなTRAIL陽性細胞をCD56陽性NK細胞で認めた(Fig. 4)。 L. plantarum刺激後、多くのTRAIL陽性細胞は、CD56陽性NK細胞の30~35%にまで顕著に上昇した。更に、CD16陽性NK細胞についても確認をした。 L. plantarum刺激後、多くのTRAIL陽性細胞は、CD16陽性NK細胞の30~38%にまで顕著に上昇した(補助データ)。しかし、残る細胞集団においても細胞表面TRAILを発現しており、そのため、CD4陽性Tヘルパー細胞についても検証し、L. plantarum刺激後、TRAIL陽性細胞集団は、CD4陽性Tヘルパー細胞の14~21%にまで上昇した。これらの結果は、 L. plantarumによりCD56陽性NK細胞とCD4陽性Tヘルパー細胞において細胞表面TRAILが高まっていることを示唆する。
3.5. L. plantarum によるTRAIL誘導は、PBMC由来IFN‒αおよびIFN‒γの産生に部分的に依存する。
我々はどの作用によって LL. plantarumがTRAILを誘導するかについて検証した。以前からの報告ではTRAIL は、IFN‒α[16]、IFN‒γ[17]で刺激した後に免疫細胞で発現を認めており、また、乳酸菌の摂取はIFN‒γの放出を誘導する [18]。それ故、我々は、 L. plantarumがTRAIL発現をIFN‒αおよび/あるいはIFN‒γを通じて誘導すると仮定した。我々は、L. plantarumによって生じるPBMCの細胞表面のTRAILの発現(Fig. 5A) 、可溶性TRAILの放出(Fig. 5B) におけるIFN‒αおよび/あるいはIFN‒γの関わりについて検討した。IFN‒αあるいはIFN‒γ特異的中和単一クローン抗体(mAb)をIFN‒αあるいはIFN‒γ活性を阻害するために用いた。IFN‒αとγ中和mAbの両者は、PBMCに対するL. plantarum刺激で生じる細胞表面および可溶性TRAILの発現を阻害した。更に両インターフェロンの二重中和は、TRAIL発現誘導により完全な形で影響することが可能であった (Fig. 5)。これらの結果は、L. plantarumによって誘導されるTRAIL発現は、IFN‒αとIFN‒γ依存することを示唆する。既にある報告は、IFN‒α[16]あるいはIFN‒γ[19]で刺激した免疫細胞は、ヒトがん細胞に対して毒性があることが示している。こうしたケースでは、TRAILの関与が一つの作用機構であるのかもしれない。
3.6. L. plantarum処理したPBMCはがん細胞に対してNK活性を示し、その活性はTRAIL依存性である。
L. plantarum刺激によるTRAIL産生の抗がん効果を評価するため、前立腺がんPC3細胞に対するNK活性を測定した。PC3細胞上のTRAIL受容体の発現について検討した。PC3細胞は豊富に2つのDR、DR4 とDR5を発現していたが、細胞表面の2つのおとり受容体、DcR1とDcR2の発現はなかった(Fig. 6A)。次いで、51Cr放出分析を実施し、PC3細胞に対するL. plantarum刺激PBMCの細胞毒性は、L. plantarum非刺激PBMCとの比較で著しく増大させていた(Fig. 6B)。興味深いことに、L. plantarum刺激PBMCの細胞毒性は、TRAIL受容体に対し優勢な陰性機能を有する組換えDR5/Fcキメラ(Fig. 6C) 、TRAIL特異的中和mAb(Fig. 6D)によって有意に阻害された。これらの結果は、L. plantarum刺激によるNK活性は、PBMC由来のTRAIL産生を通じて主に仲介されていることを示していた。

4. 考察
最近、ヒト組換えTRAILおよびTRAIL受容体に対するアゴニスト様抗体が抗がん素材となりうるものとして注目が集まってきている[3,4]。一方で、内在性TRAILの悪性腫瘍に対する免疫監視の役割にも光があてられてきている。更に、内在性TRAILは発がん阻害で重要な役割を演じている[7]。それ故、我々は、その筋書きに沿って、内在性TRAILを産生することのできる素材を見出そうと試みた。我々は、乳酸菌処理が免疫細胞からの内在性TRAILを産生することを初めて示すことができた。TRAIL発現の誘導は、mRNAと蛋白質レベルでL. plantarumによって起き、その結果、TRAILの細胞表面と放出可溶性のTRAILをみとめた。このような効果は、試験した他の細菌では認めなかった(データは示さない)。 L. plantarumによるTRAIL発現の誘導に対する機構として、我々は、IFN‒αとIFN‒γがその発現に関わることを示したが、他の作用機構の存在もあるのかもしれない。IFN‒α[20] and IFN‒γ[21]は、TRAIL遺伝子プロモーターのある部位を通じてTRAIL転写を上昇制御することを示してきた。これらの結果は、L. plantarumがTRAILのmRNAを増大する我々の結果と一致する。いままでのところ、乳酸菌は、in vitroおよびin vivo [8,22]悪性腫瘍細胞を効果的に攻撃するためにNK活性を高めることが報告されてきている。しかし、NK活性に関わる分子機構についてはほとんどわかっていない。この報告で、我々は、TRAILは、悪性腫瘍細胞に対するL. plantarumによって誘導された毒性のカギとなる分子であることを初めて示した。次の段階として、我々は、L. plantarumの経口摂取がまたTRAIL依存性NK活性をin vivoで高めるかどうか解明する必要がある。L. plantarumは、PBMCに対してはいかなる細胞毒性も示さなかった(データは示さない)。それ故に、L. plantarum自身は、安全であることを支持する。さらに、我々は、以前より、多くのフルーツや野菜に含まれるいくつかのフラボノイドは、ヒト悪性腫瘍細胞において、DR5を上昇制御し、組換えTRAIL誘導アポトーシスを高めることを示してきた[23,24]。そのため、我々は、L. plantarumとある種のフラボノイドの経口摂取は、TRAIL‒DR5経路を活性化し、悪性腫瘍に対する予防上の有益な効果をもつ可能性を思い浮かべている。結論として、L. plantarumは内在性TRAIL産生を通じNK活性を高めることを示した。今回の結果はTRAILを基礎としたがん予防の新規な戦略を導いているかもしれない。

謝辞
この研究は、文部科学省による援助を受けた。また、すべての協力者に対し感謝を述べたい。

付録A. 捕捉データ
この論文に関する補助データは、on line版において閲覧可能である。
doi:10.1016/j.febslet.2009.12.004.

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Fig. 1. L. plantarumで刺激したPBMCは、細胞表面と可溶性TRAILを増大させる。ヒトPBMCは健常者ボランティアの血液より分離し、L. plantarum (10μg/ml)およびIFN‒α (1000 IU/ml) と24時間インキュベート(2 x106/ml)した。図は、3回実施した実験の中でもっとも典型的な実験結果である。(A) 細胞表面TRAIL発現は、フローサイトメトリーにより分析した。no treatmentは未処理のコントロール L. plantarum S1 treatmentは、 L. plantarum S1で処理したもの。(B) Y軸は(A)のヒストグラムの細胞集団の幾何学的平均蛍光強度(GMFI)。PBMCは、 L. plantarum S1, DB22, DS41およびIFN‒αで処理した。(C) 培養液上澄は、「材料と方法2.5」に記述されているELISAによる可溶性TRAILの分析に用いた。CT: 未処理。値は、n=3の平均値。 ひげ線: ±S.D. *P < 0.05。


Fig. 2. 別のヒトより採取したPBMCも、 L. plantarum で刺激した場合、細胞表面および可溶性TRAILを増大させる。ヒトPBMCは、5人の健常なボランティア血液より分離し、 L. plantarum S1(10 μg/ml) と24時間培養 (2 x106/ml) した。 図は、3回実施した実験の中でもっとも典型的な実験結果である。(A) 細胞表面TRAIL発現は、フローサイトメトリーにより分析した。no treatmentは未処理のコントロール L. plantarum S1 treatmentは、 L. plantarum S1で処理したもの。(B) Y軸は(A)のヒストグラムの細胞集団の幾何学的平均蛍光強度(GMFI)。(C) 養液上澄は、「材料と方法2.5」に記述されているELISAによる可溶性TRAILの分析に用いた。 値は、n=3の平均値。 ひげ線: ±S.D. *P < 0.05。


Fig. 3. L. plantarum 株は、TRAIL発現を全蛋白質とmRNAレベルで誘導する。 ヒトPBMCは健常者ボランティアの血液より分離し、L. plantarum (10μg/ml)と24時間インキュベート(2 x106/ml)した。(A) L. plantarum で刺激したPBMCにおけるTRAILウェスタン・ブロッティング。PBMCは L. plantarum S1, DB22, DS41で処理した。ウェスタンブロット分析は、抗TRAIL抗体で行われた。同等の充填ができているかの確認のため、同じブロットを抗 GAPDH抗体で検出した。(B) L. plantarum で刺激したPBMCにおけるTRAIL mRNAの定量的リアルタイムRT‒PCR。内標はβ2マイクログロブリンであった。 図は、3回実施した実験の中でもっとも典型的な実験結果である。


Fig. 4. L. plantarum 処理によるNK細胞とT細胞における膜結合TRAILの発現。 ヒトPBMCは健常者ボランティアの血液より分離し、L. plantarum (10μg/ml)と24時間インキュベート(2 x106/ml)した。PBMCは CD56, CD4およびTRAILの特異的抗体でラベルした。上右部分の数字は、 CD56+あるいはCD4+集団における TRAIL陽性細胞のパーセンテージを表わす。 FITC‒ とPE‒共役マウスIgG1アイソタイプ対照抗体は、陰性対照として用いた。CT:未処理、PE: phycoerythrin、FITC:fluorescein isothiocyanate。 図は、3回実施した実験の中でもっとも典型的な実験結果である。


Fig.5 PBMCによって誘導された可溶性TRAILの放出におけるIFN‒αとIFN‒γの関わり。 ヒトPBMCは健常者ボランティアの血液より分離し、 L. plantarum (10μg/ml)と24時間インキュベート(2 x106/ml)した。PBMCは、抗ヒトIFN‒α および/あるいは ‒γ 中和mAb(10 μg/ ml)存在下、非存在下で L. plantarum と培養した。(A)TRAILの細胞表面発現。Y軸は細胞集団の GMFI。(B) TRAILのためのELISA。値は、平均値 (n = 3) であり、ひげ線は、±S.D. *P < 0.05。図は、3回実施した実験の中でもっとも典型的な実験結果である。neutralization antibody:中和抗体のこと。


Fig.6 L. plantarum 刺激はがん細胞に対してNK活性を促進する。(A)TRAILの細胞表面発現。対照抗体は、アイソタイプ単一クローン抗体。TRAIL受容体抗体は、PE共役の抗DR4、抗DR5、抗DcR1あるいは抗DcR2mAbで染色したものを示している。(B) 51Cr放出分析。PBMC (エフェクター細胞:E)は、 L. plantarum S1と24 h培養し、51CrラベルPC3細胞(標的細胞:T)を図で示されたET比で加えた。E/T ratio:ET比。細胞は4時間共培養し、放射線活性は、TopCount NXTシステムで測定した。 (●): 未処理、(◯): L.plantarum S1刺激、(♦): L. plantarum S1刺激 および10 μg/ml TRAIL中和抗体(RIK‒2)、(▲): L. plantarum S1‒刺激および2μg/mlDR5/Fcキメラ蛋白質。 値は、平均値 (n = 3) であり、ひげ線は、±S.D. *P < 0.05。 * 対 (●): 未処理 (P < 0.05)。** 対 (◯): L.plantarum S1刺激 (P < 0.05)。 図は、3回実施した実験の中でもっとも典型的な実験結果である。